2017年VR幻滅期の話と、2018年復活の話

ところてん
9 min readJan 2, 2017

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注意、この文章は怪文章であり、筆者の妄想でありポエムです。
思いついた妄想は吐き出さないと、思考の一部を支配し続けて、他のことが考えられなくなるので、取り合えず吐き出します。内容の正しさは知らん。

2017年VR幻滅期

私は今年はVRは幻滅期に入ると考えている。幻滅期ってのはいわゆるハイプサイクルにおける幻滅期だ。

https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20160825-01.html

上記はガートナーのハイプサイクル2016からの引用であるが、彼らの定義ではVRは啓蒙活動期となっているが、ここからもう一度幻滅期が来るのではないかと考えている。

幻滅期に入る理由としては、大きく次の二つがある

・コンテンツの製造コストの高さ
・デバイスの普及台数の少なさ

まずは、コンテンツの製造コストの話から。
VRのコンテンツの製造コストは非常に高い。
FF15のような美麗なデータでもまだ足りない。
キャラクターを「配置する」ではダメなのだ。
キャラクターがそこに「居る」という状況を作らなくてはならないのだ。

キャラクタを配置する限りは、ユーザはそのオブジェクトを抽象化して取り扱ってくれるが、VRになると、そこに存在を感じる必要がある。
そのためのポリゴン数は膨大になり、製造コストが跳ね上がり、また目線を合わせてくれたり、IKを使って正しくリアクションをしてくれたりということが必要になる。
そして、それが全てのオブジェクトに対して必要になってくる。
リアリティを感じさせるためのコンテンツ制作コストは計り知れない。

VRの6時間以上ぶっ続けでプレイできるコンテンツがあるか?まだ無いだろ。
どれもこれもミニゲームの域を出ない。
これは、コンテンツの制作コストがくっそ高いので、そこまで大きいものが作れないのだ。
また、デバイス普及の少なさから、セールスが見込めないため、あまりにも大きいコンテンツを作るにはまだリスクが高すぎるのだ。

続いてはデバイス普及の少なさだ。

The organization found that, by the end of 2016, the Oculus Rift is projected to sell 355,088 units; the HTC Vive will sell 420,108 units; Google Daydream will sell 450,083 units; and the PS VR will sell 2,602,307 units.
http://uploadvr.com/superdata-headset-sales-analysis/

プラットフォームの乱立はあるものの、合計で400万台弱。400万台あるなら市場は十分じゃないかという話だが、比較してみるとヤバみが分かる

PS4は5000万台出荷
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/4172/20161207-ps4.html?tkgpscom=dc_ps4_ps_tw_20161207

Xbox Oneは1800万台(オフィシャルソースが見つけられなかった)
http://gamingbolt.com/18-million-xbox-one-consoles-sold-since-launch-rumor

Wii Uは1336万台
https://www.nintendo.co.jp/ir/sales/hard_soft/

単純に見ても、マーケット規模はコンシューマハードの1/10以下なのだ。
これにPCも加えると、マーケット規模はもっと小さくなる。

そう、幻滅期に入るのは、マーケットではなくて、制作者側なのだ。

コンテンツ製造コストはバカみたいに高く、ハードの普及は少なく、売上は小さい。だれがこんなもんの上でマジメに開発するっていうんだ。

2018年復活の話

さて、ところ変わって2018年。VRは復活すると考えている。
VRの問題がコンテンツの製造コストの高さに起因していると、皆が気付き始めるからである。
すると、制作コストを安くVRコンテンツを作れないかと頭をひねり始める。

そうすると、次の時代のVRコンテンツの覇者になるのは、次の3社だと思っている、Sony、Apple、Google、この三社である。

彼らは動画配信プラットフォームを自社で持っているからである。
言いなおそう、彼らは格安のVRコンテンツ配信プラットフォームを自社で持っているからである。

格安のVRコンテンツとは、私は動画であると考えている。

VRグラスを使って、複数人で一つの映画を見る、というのが流行るはずである。
カメラを通じてプレーヤーの状態を取得し、複数人が一つの空間にいるようなVR空間を作る。
そして、その空間の中で映画を再生し、それを全員でワイワイ言いながら見る。

そんなコンテンツが次の時代に流行るはずである。

さて、ここに日本におけるコンサートの開催数の統計がある。10年で開催回数、来場者数ともに2.5倍ほどになっている。

http://www.acpc.or.jp/marketing/transition/

加えて、売り上げは、10年で3倍に伸びている。

http://www.acpc.or.jp/marketing/transition/

これは、音楽業界がCDが売れなくなったので、ライブ(と物販)にシフトしているということの表れであるが、その背景にはコピー可能なコンテンツの価値が消失し、コピー不可能なコンテンツの価値が増大していることが挙げられる。

また、ライブは複数人でも行くことができ、これにより確実に共通体験を得ることができる。

共通体験というのがキーワードである。
インターネットが普及した2000年以降、コンテンツの爆発的な増加、多種多様化により、共通体験が消失してしまったと考えている。

それ以前は、テレビと新聞と雑誌くらいしか話題の供給源なんてのはなかった。昨日のミュージックステーションを見ていれば、誰とでも話が合う時代があったのだ。
ジャンプを読んでれば、ドラゴンボールで誰とでも話が合う時代があったんだ。

インターネットの発達はその前提を崩してしまった。みなが自分の好きなコンテンツをそれぞれ取得するようになり、共通の話題というものが世の中から消失してしまった。

それゆえに、共通の話題を強制的に得ることができる、物理的な空間の同期、映画館、コンサート、遊園地の価値はどんどん上昇している。

だから、ディズニーランドの入場者数も、年々増加しているのだ。
http://www.olc.co.jp/tdr/guest/

映画の来場者集もじわじわと伸びている。
http://www.garbagenews.net/archives/2034792.html

コンテンツから共通体験が失われ、しかしひとは共通体験を欲している。
それゆえに、物理的な空間の同期による、強制的な共通体験、コンサート、遊園地、映画の価値が年々上昇している。

この需要をVRがかっさらっていく可能性が高い。
物理的な空間の同期はコストが非常に高いので、これをVRによってコストダウンするのだ。

要するに、居酒屋で野球を見ながら「俺が監督だったら、あんなプレイ絶対させない!」ってグダグダしているオッサン達をオンラインに移行させるのだ。

まぁ、ファミコンのくにおくんシリーズを、VRで空間共有しながプレイとかでもいいよ。そうすると、実は任天堂もVRコンテンツのプレーヤーとして有望視される。

あと、スポーツとか、コンサートのライブVRはあるんじゃない?
宝塚歌劇団VR視聴席とかあったら、すごく買いたい。
あと二年もしたら、360度動画のフォーマットのデファクトスタンダードも定まるだろうし、会場からライブストリーミング動画を送って、ローカルマシンでクリッピングしてVRグラスに表示とか、余裕で出来るんじゃないかな。
単なるVR動画は前述のように価値がなくて、会場からリアルタイムに送られてきて、会場に行った人と、ライブストリーミングで見た人の体験が共通化できることが重要。

まとめ

VRの製造コストが高すぎ、ハード普及していなさすぎで、2017年は下火になる。
「安いVRコンテンツ」という概念が普及して2018年はVRによる空間同期が始まり、その先駆けとして、動画の共同視聴というものが始まるだろう。

という妄想ポエム。

頭の中の妄想は、吐き出して忘れないと、いつまでも思考を奪い続けるので、怪文書にして吐き出すのが良い。

追記

子を持つ親の視点と収益性の面からVR難しいよね、ってコメントをもらった。
https://gist.github.com/shibukawa/40fab6ba7c892ae90bb0ee9ddf0bc3b9

AltspaceVRの存在を初めて知った、ありがとうございます。

http://jp.techcrunch.com/2015/06/14/20150612vr-chat/
ちょっと調べてみたけど、AltspaceVRは門戸をオープンにしすぎかなー。
共通体験がほしいのはリアルフレンドとの間なので、過剰にオープンにする必要はない。
もうちょい、クローズ向けのVRがくれば爆発する可能性がある。今のAltspaceVRは、いうなればFacebook。Line相当のコミュニケーションの濃さのVRが登場すると大化けすると予想している。

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