お前ら、いいからWindowsボタンとGを押せ。そうすれば、お前はクリエイターになれる。
2017年4月に行われた、Windows 10の大型アップデート、Creators Updateから、ゲームの実況生放送用の仕組みが、OSに標準搭載されました。
情報発信の簡易化により、ゲームの実況配信は自己表現の手段となっている、というポエムを前回書きました。
今回は、マイクロソフトがこれに対して本気で取り組んでいるという話をします。
動画配信はMSのMixer(旧Beam)というサービスを通じて行います。※Microsoftがゲームのライブ配信サービスBeamを買収
(追記)
Mixerの技術的な話はVの人が書いているので、そちらを参考に。
Mixer の技術的視点での凄さ
他の生放送プラットフォームよりも、遅延が圧倒的に少ない(0.5秒程度)ので、視聴者とのインタラクションがやりやすくて、Mixerはマジでいいよ。ホント。他のプラットフォームは5秒とか遅れたりする。
顔出し生放送を行う
Windows 10にCreators Updateが導入されている環境では、Win+Gを押すと、こんな表示がオーバーレイされるようになりました。
右から二番目のパラボラアンテナみたいなのをクリックすると、配信設定の画面に移ります。
初回は起動時にはMixerのアカウント設定がありますが、これはMSアカウントでログインできるので、Windows 10にMSアカウントでログインしている人はそのまま使うことができます。
あとはカメラを有効にして、マイクをオンにしてあげると、自分の顔を表示しながらの動画配信ができます。
いまどきのノートPCならマイクもカメラも標準搭載だから、何もしないでも顔出し配信ができる。
そうしたら、配信チャンネルのURLを知り合いにばらまいたり、SNSにばらまいたりすれば、OKです。
自分の側には、動画配信状況についてオーバーレイで表示され、チャット欄に書き込まれたコメントなどが読めるので、それを見て反応することもできます。
ちなみに、生放送中のCPU利用率と通信はこんな感じ。
ゲームというコンテンツ生成装置
Ustreamが死に、Justin.tvが死に、Twitchとなって甦り、YouTube Liveが一般開放され、MixerがWindowsと完全に融合した。
人は生放送を行いたかった。
だから、汎用生放送プラットフォームが作られた。
しかし、多くの人は生放送に耐えられるコンテンツを持っていなかった。
だから、ゲーム専門の生放送プラットフォームが立ち上がり、盛況となっている。
ゲームという、コンテンツ生成装置をもって初めて人は生放送を行い、情報発信者としてふるまうことができるようになった。
TwitchやYouTube Liveでもゲームの実況配信は行えていたが、配信ソフトの導入など技術的ハードルがいささか高かった。
WindowsがOSレベルでゲームの実況配信をサポートすることで、技術的ハードルが格段に下がり、より多くの人が、ゲームを通じた情報発信が行えるようになるだろう。
従来のブログやTwitterといった言語能力に強く依存したメディアで情報発信が行えなかった人たちが、ゲーム+実況によって情報発信を行う時代になるのだ。
実況最適化されたゲームの登場
PUBGのセールスが1000万本を突破し、同時接続数は120万人を突破しています。この背景にはPUBGが実況最適化されているというのがあると考える。
- 1プレイ最長40分(平均は20分程度)という、生放送には手ごろな長さ
- レベリングや、ストーリー要素が存在しないため、誰の放送をどこから見てもよい
- 偶然性、理不尽性の塊なので、見ていて飽きない
- それに対する実況主のリアクション
- 最後は心理戦であり、心理戦の発話を聞いているのはとても楽しい
というわけで、今後は実況最適化されたゲームというのが増えるんじゃないかな、と思います。
まとめ
- Windows 10ではOSにゲームの実況配信機能が搭載された。Win+G
- 人類は生放送に耐えられるコンテンツをゲーム以外に持っていなかった。
- 実況最適化されたゲームが今後増えるであろう
- TIGER & BUNNYをNetflixで見直していたら、スカイハイがUstreamのロゴで活躍しており、今は無き会社のロゴを掲げて活躍する義理堅いヒーローになっていた。お前はデラーズ・フリートか
- 美少女に生まれ変わって、ゲームの実況配信をしたい